・ごみのひ
・彼女の車のエンジン音が近づいてきて、ソファから起き上がりベッドのシーツを整えた。彼女がいないあいだ、命じられた皿洗い、テーブルをふき、せんたくものをたたみ、アイロンかけをし
いや
こんなこと
わたし彼女に何も関わりたくない
ありがとうと言われたってごめんなさいと謝られたって
彼女に亀裂を気付かせないためにだらしない振りをして
わたしの方が余程まともなの
彼は「そうかもね」って言って口を閉ざした
愛してるよってゆうの
愛してるよってゆうのきらい
何も特別じゃない
極限状態だったってわたしたち想い合っている
自分のためは許せない
お土産に買っていこうと思ったけれど、ちょっと高すぎるからやめたの
「いらないのに」っていう
溶けちゃってぐにゃぐにゃになったチョコレートを
「誰にもあげられないじゃない。馬鹿だね」って笑って
受け取ってくれるはず
ごみのひに
ごみのひにゴミを出すと、感謝される
わたし、あなたと離れたいだけなのに。
あなたが叫ぶ正しさに
わたし絶対に勝ち目がないなんて
死にたい