わたしの価値が
わたしの価値が
わたしの価値が
あなたによって決められる
気がする
のは気のせいだよ
そうだ
わたしの価値は
あなたによって決められる
それが社会の常識だ
わたし
社会の常識に
あなたの死にざまに
興味津々だ
この家は暑い
襖全開
クーラーもない
わたしならばできる
危険な博打なら
喜んでこれを受けてたつ
わたしの価値は
わたしの価値は
わたしの価値は
ほんとうは自分自身を
慰める
ことができない
負けを認めてくれよ。
ほどけていく言葉の綾で
勝ちを誇ってくれよ。
わたしたちが初めて出逢う
綾ちゃん
綾ちゃんのお母さんはね
現実に起こるなによりも前に、自分自身に負けてしまった
それだけが
ゆっくりと流れる涙のわけで
理解をあきらめたほほえみが
目尻の皺のほほえみが
額縁の
白黒写真の
ホコリの膜の
向こうで
わたしに
冷えた
果実を剥いて
わたしを
呼んでるような
気流のサイレン
「約束」
「約束だよ」
いっしょにお風呂入った
いっしょにお墓まいりいった
ね
さよなら